紋章のような

My name is Samataka. I made coats of arms in my own way. Please accept my apologies. I didn't understand heraldry. I made coats of arms in escutcheons.

2024-09-01から1ヶ月間の記事一覧

自作小説「塔の上のセピイ  〜中世キリスト教社会の城女中の話」第十二話(中編)(全十九話の予定)

第十二話 戦う理由、気づかう理由(中編) セピイおばさんは、ため息をついた。それは、すごく重たいものに聞こえた。 と思いきや、セピイおばさんは私をひたと見つめる。私は緊張してきた。 「さて、ここで質問だよ、プルーデンス。あんたはどう思う。パー…

自作小説「塔の上のセピイ  〜中世キリスト教社会の城女中の話」第十二話(前編)(全十九話の予定)

第十二話 戦う理由、気づかう理由(前編) 「それは、オペイクス様が二十代に入ったばかりの頃。私らに話してくださった時にオペイクス様は三十代前半だったろうから、そこから十年以上、遡った時代だ。 オペイクス様は、まずご自分の出身地を簡単に説明した…

自作小説「塔の上のセピイ  〜中世キリスト教社会の城女中の話」第十一話(全十九話の予定)

第十一話 報告とか、事後の余波とか 私は興奮していた。昼間、畑仕事などを手伝いながら、顔には出していないつもりだけど。内心は、セピイおばさんから聞いた話が気になって、仕方がなかったのだ。 太陽が天辺をちょっと過ぎたくらいの時。私はセピイおばさ…

自作小説「塔の上のセピイ  〜中世キリスト教社会の城女中の話」第十話(全十九話の予定)

第十話 交わされた言葉の数々 「昨日は、なんだかんだ言って結局、秘密めいた、際どい話も多かったね。でも今度こそ、それほどでもないはずだよ」 セピイおばさんは、そう言いながら、椅子の下にロウソクを置いた。私とセピイおばさんの間の椅子。強かった明…

自作小説「塔の上のセピイ  〜中世キリスト教社会の城女中の話」第九話(全十九話の予定)

第九話 郷里への道のり 翌日は午後から雨になった。夜も降り続き、すれ違いざまにセピイおばさんから小声で言われた。「今夜は、やめておこう。また明日だ」と。 そして、さらに翌日。雨は止んだ。夕方からまた降り出したが、小雨程度。時には霧雨と言ってい…