自作小説
第十九話 区切りの三日月 その後も、私はセピイおばさんに話をせがんだ。もちろん、しつこくではなく、おばさんの顔色をしっかり確認した上で。最低でも五日以上は間を空ける。 父さんも母さんも、弟も近くに居ない、畑仕事や家の中でセピイおばさんと私だけ…
第十八話 お邪魔虫の居場所 次の日、私は畑仕事もそこそこに、マルフトさんのお墓の前で座り込んだ。もう両親や友達から、どう思われたっていい。断固として座り込む。もちろん、セピイおばさんに対しての意思表示だ。 しかも天気はいい。長話には最適だ。 …
第十七話 失われた者たち ともかく、ジャッカルゴは都アガスプスから居城メレディーンに、妻子ともども無事に帰ってきたのだ。妻のヘミーチカも赤ちゃんのナタナエルも、その後、へんな病を発症したりする事はなかった。都に住む、それぞれの両親も健康であ…
第十五話 次につなぐために またしても眠気に耐えながら、畑仕事をこなして、一日をやり過ごし、私は夜を迎える。ジャノメイだって、政務を怠らなかったのだ。私も負けないぞ、と。 深夜、指定された離れに行くと、セピイおばさんは言った。「やっぱり予定変…
第十四話 幾つかの門出 墓地で、マルフトさんの前でセピイおばさんの話を聞けたところまでは良かったのだ。しかし、さすがに夜は呼ばれなかった。 元々「今夜は控えなさい」と言われていたのだ。それなのに、もしかして、などと身勝手な期待を捨てきれずに、…
第十三話 戦(いくさ)の話 翌朝、私は寝坊した。セピイおばさんがわざわざ私の父さんと母さんに根回ししてくれると思うと、あまり寝坊したくなかったけど。 おばさんが父さんと母さんに話をつけるとしたら、朝、二人をつかまえるしかない。そのために、おば…
第十二話 戦う理由、気づかう理由(後編) 「パールは結局、泣き疲れたのか、そのままオペイクス様に乗ったまま寝てしまったんだと。それほど彼女を安心させることができたオペイクス様を、私らは、つくづく立派なお方だと思ったよ。 しかしオペイクス様は、…
第十二話 戦う理由、気づかう理由(中編) セピイおばさんは、ため息をついた。それは、すごく重たいものに聞こえた。 と思いきや、セピイおばさんは私をひたと見つめる。私は緊張してきた。 「さて、ここで質問だよ、プルーデンス。あんたはどう思う。パー…
第十二話 戦う理由、気づかう理由(前編) 「それは、オペイクス様が二十代に入ったばかりの頃。私らに話してくださった時にオペイクス様は三十代前半だったろうから、そこから十年以上、遡った時代だ。 オペイクス様は、まずご自分の出身地を簡単に説明した…
第十一話 報告とか、事後の余波とか 私は興奮していた。昼間、畑仕事などを手伝いながら、顔には出していないつもりだけど。内心は、セピイおばさんから聞いた話が気になって、仕方がなかったのだ。 太陽が天辺をちょっと過ぎたくらいの時。私はセピイおばさ…
第十話 交わされた言葉の数々 「昨日は、なんだかんだ言って結局、秘密めいた、際どい話も多かったね。でも今度こそ、それほどでもないはずだよ」 セピイおばさんは、そう言いながら、椅子の下にロウソクを置いた。私とセピイおばさんの間の椅子。強かった明…
第九話 郷里への道のり 翌日は午後から雨になった。夜も降り続き、すれ違いざまにセピイおばさんから小声で言われた。「今夜は、やめておこう。また明日だ」と。 そして、さらに翌日。雨は止んだ。夕方からまた降り出したが、小雨程度。時には霧雨と言ってい…
第八話 裏の事情 私は焦っていた。すぐにでもセピイおばさんから話の続きを聞きたかったが、おばさんだって疲れているだろう。そろそろ、一日お預け、とか言われてもおかしくない。むやみに催促するわけにもいかないし。 そのくせ、セピイおばさんは昼間、何…
第七話 絶たれる糸 昼間、私は畑でぼんやりしてしまった。またしても眠かったのだが、それだけじゃない。セピイおばさんの人生に現れた人たちのことを、どうしても考えてしまうからだ。ヴィクトルカとスネーシカ、ヒーナお嬢様、ベイジとカーキフ、そしてソ…
第六話 意に沿わぬ振る舞い 「では、話させてもらうよ。 次の日、お勉強とかが終わると、ヒーナ様は私とベイジに『昨日の塔に行こう』と言い出した。スネーシカ姉さんが隠れて、泣いていた場所。そこなら大事な話ができる、と。 三人で塔の螺旋階段に入る前…
自作小説「塔の上のセピイ 〜中世キリスト教社会の城女中の話」第五話 どうか、ご覧あれ〜。
自作小説「塔の上のセピイ 〜中世キリスト教社会の城女中の話」第四話 どうか、ご覧あれ〜。
自作小説「塔の上のセピイ 〜中世キリスト教社会の城女中の話」第三話 どうか、ご覧あれ〜。
自作小説「塔の上のセピイ 〜中世キリスト教社会の城女中の話」第二話 どうか、ご覧あれ〜。
自作小説「塔の上のセピイ 〜中世キリスト教社会の城女中の話」第一話 どうか、ご覧あれ〜。
ブログの今後のこととか。