紋章のような

My name is Samataka. I made coats of arms in my own way. Please accept my apologies. I didn't understand heraldry. I made coats of arms in escutcheons.

つり香炉の紋章

カトリック教会で神父や司教が使う道具に、つり香炉というものがあります。
あまり馴染みがないですよね。
私も日本のお寺や神社で見かけたことはありません。
テレビなどで見ると、どうやら東京の浅草寺に香炉の巨大なものが置いてあって、その煙を浴びるとご利益がある、とか。
ところが、カトリックの香炉は置かずに、つり上げて振るんです。
ちょいと説明しましょう。

まず、金属製のお椀と蓋。蓋には点々と穴が開けてあります。
なぜかというと、中でお香を焚くからです。
蓋の穴から、うっすらと細い煙が登ってきます。
このお椀と蓋には細い鎖がついていて、神父や司教は鎖を引っぱり上げて持つ。
そしてカトリックのお坊さんたちはこれを振るんですね。もちろん全力で頭上で振り回したりはしませんが。
信者のそばに行って、軽く振ります。催眠術のコインは左右に振りますが、つり香炉はだいたい前後にぶらぶらさせます。
当然、揺すられて香炉の蓋の穴から煙が出てきます。その煙がなるべく信者に降りかかるように、狙って振っているんです。

この煙、お線香とはまた違った匂いなんです。なんとも甘ったるいような、油っぽい匂い。香炉の中に入れるお香そのものは、黄色とかオレンジの氷砂糖のような、砂利石のような、とにかく硬質に見えたのですが。まあ、要するに、あまり好まれる匂いではないと思います。小学生の頃、この匂いにやられて下級生が一人、ふらふらとへたり込みました。案外、そういう事例がちょこちょこあると思われます。

 

長々と書きましたが、このつり香炉を紋章にしてみました。

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つり香炉、3点


意外なことに、ヨーロッパの実際の紋章で、つり香炉を描いたものを見たことがありません。なんでだろう。ほかの宗派の国はともかく、カトリックの国ならあるかと予想していたのですが。たまたま私がまだ出会っていないだけ?

せっかくなので、ひねって香炉の形をクジラにしてみました。気に入ったので、中央に配置。
鎖は面倒になったので、線にしました。言い訳だけど、それくらい細い鎖だったんですよ。言い訳だけど。