鶴の紋章。何を振り回しているのやら。
前回、ちょっと英語の話になりましたね。
今回も英語を含めて、
用語の微妙な難しさについて、少々書いてみます。
というのも、以前こんな紋章を作っていたので。
鶴に投石器を持たせてみました。
ここでは「器」にしておきます。
しかしキャプションでは「機」にしました。
細かく説明しますと、紋章で描き込んだのは「投石器」なのですが、
城を攻撃する「投石機」を暗示させたのです。
「投石器」だと、人間一人が片手に持つイメージですな。
英語だと、スリング(sling) 。
ヒモの先端部分に石をかましてから、ブンブン振り回します。
しっかり勢いをつけたところで、ヒモから石を放つ。
旧約聖書でダビデが巨人ゴリアテ(ジブリ・ファンの方はゴリアテと聞いて、思い出すものがあるはず)をやっつけたのは、この投石器を使ってのことです。
実は、今でも中東のニュースなどをよく見ていると、デモの若者が振り回していたりします。
「投石機」は字面から考えて、大きな機具のイメージしてしまいます。
英語だと、カタパルト(catapult) 。
実際に大人数人がかりで、ひいこら押して戦場まで移動させなければなりません。
カタパルトにもいくつか種類があるようですが、
今回の紋章は、その中でもトレビシェット(trebuchut)に近いと言えるでしょう。
興味のある方は検索してみてくだされ。けっこう画像が豊富に出てきますよ。
というわけで、
個人携帯用のものか、攻城用の大型のものか、で字を使い分けるべきだな
と私個人は思うのであります。
さらに余談と言いましょうか。
お気づきの方もおられるでしょう。
鶴の英語(crane)は、建設現場などでよく使われる起重機(クレーン)のことも指してます。
ふっふっふ、それをふまえると、今回の紋章はダブル・ミーニングですかな。
これで前回のスペル間違いを挽回したつもりの私です。はい。